夜空に輝く美しい満月は、古くから多くの人々に愛されていてきました。
実は、満月には毎月異なる名前が付けられていることをご存知ですか?月の名前を知って、日々の生活に彩りを加えてみてはいかかでしょうか。
今回は、そんなロマンチックで神秘的な満月の名前と由来をご紹介します。
各月の満月の名前と由来
満月には、1年の12か月にそれぞれ異なる名前を付けられていて、その多くは、ネイティブアメリカンの伝統に由来しています。満月は、季節の移り変わりや自然のリズムを感じる重要なイベントで、その時期の自然現象や生活に関係する意味合いが込められています。
1月:ウルフムーン (Wolf Moon)
1月の満月は「ウルフムーン」と呼ばれています。寒い冬に食料が不足し、オオカミが食料を求めて遠吠えをして空腹を訴える姿が由来です。冬の厳しい寒さに耐えながら生きる動物たちの様子を表現しています。
2月:スノームーン (Snow Moon)
2月は一年の中でも最も雪が多く降る時期であるため、「スノームーン」という名前が付けられました。白く輝く大地と、静寂な冬景色を照らすこの満月は、厳しい冬の美しさを象徴しています。
3月:ワームムーン (Worm Moon)
3月の「ワームムーン」は、春が近づき気温の上昇とともに地面が柔らかくなると、ミミズや虫たちが活動を始めることにちなんでいます。植物や動物が活動を再開する時期でもあり、春の訪れを知らせる満月として知られています。
4月:ピンクムーン (Pink Moon)
「ピンクムーン」という名前の4月の満月は、春に咲き始める草夾竹桃(フロックス)などの花にちなんでいます。実際には満月がピンク色になるわけではありませんが、春の暖かさや新しい生命の誕生を感じる時期です。
5月:フラワームーン (Flower Moon)
5月は花が満開になる季節です。この時期の満月は「フラワームーン」と呼ばれ、多くの色とりどりの花が咲き乱れる様子を表現しています。自然が命を育む季節として多くの植物が成長し、私たちに春の息吹を届けます。
6月:ストロベリームーン (Strawberry Moon)
6月はイチゴの収穫期にあたるため、「ストロベリームーン」と呼ばれます。北米の先住民にとって、収穫期の満月として親しまれました。夏のはじまりを告げる華やかな満月です。
7月:バックムーン (Buck Moon)
7月の満月は「バックムーン」と呼ばれ、これは鹿(バック)の角が新しく生え変わる時期であることに由来します。自然界の生命サイクルが活発化する季節の象徴とされています。
8月:スタージョンムーン (Sturgeon Moon)
8月は湖や川でチョウザメ(スタージョン)が豊富に獲れる季節であることから、「スタージョンムーン」と呼ばれます。北米の五大湖付近の先住民にとって、重要な漁の時期を象徴する満月です。
9月:ハーベストムーン (Harvest Moon)
9月の「ハーベストムーン」は、農作物の収穫期に最も近い満月であることから名付けられました。通常、秋分の日の前後に出現して長時間夜空を照らすため、農作業を手助けする満月として知られています。
10月:ハンターズムーン (Hunter’s Moon)
10月の「ハンターズムーン」は、冬の備えとして狩りを行う時期に由来しています。この満月は収穫が終わり、動物たちが冬に備えて活動的になる時期を象徴し、狩猟シーズンの始まりを告げています。
11月:ビーバームーン (Beaver Moon)
11月の「ビーバームーン」は、冬の寒さを前にビーバーが巣を作り始める時期であることにちなんでいます。アメリカ先住民はこの時期に毛皮を収集し、冬を備えていました。
12月:コールドムーン (Cold Moon)
12月の「コールドムーン」は、冬の寒さが一層厳しくなる時期の満月です。自然が静まり返り、厳冬が訪れるこの時期にぴったりの名前です。
満月の特別な名称
「ムーン(○○ムーン)」は、満月の見た目や天文学的な現象に由来する特別な名称です。それぞれに意味があり、観察されるタイミングや見た目の変化で呼び名が変わります。
1. スーパームーン (Supermoon)
スーパームーンは「地球に最も近い満月」が見られる現象で、通常よりも月が大きく、明るく見えるのが特徴です。月が地球の「近地点」にあるときに満月になると、スーパームーンとなります。この現象は年に数回見られることもあり、特に視覚的なインパクトが強いので話題になることが多いです。
2. ブルームーン (Blue Moon)
ブルームーンは一般的には、1か月に2回目の満月が起こる現象ですが、1つの季節(3か月間)に4回満月がある場合の3回目の満月のことも指します。名前には「青い月」という意味がありますが、実際に青いわけではありません。ブルームーンは珍しい現象なので、「Once in a blue moon(めったにないこと)」という英語表現も生まれました。
3. ブラックムーン (Black Moon)
ブラックムーンは、1か月に2回目の新月が起こる現象のことを指します。その他にも1つの季節(3か月間)に4回新月がある場合の3回目の新月のことや、1か月(特に2月)に新月がない現象のことも指します。ブラックムーンは、天文学的な現象というよりはカレンダーの周期で生まれた名称です。新月は月が見えない状態のため、この時期は通常の新月と特に見た目の違いはありません。
新月とは、地球から月が見えなくなる状態を指します。月と太陽が地球から見て同じ方向に位置する現象です。この時、太陽の光を反射する月の表面が地球から見えない側にあるため、夜空に月が存在しているのに目に見えません。
4. レッドムーン (Red Moon)
レッドムーンは、月食の際に見られる赤い月を指します。月が地球の影に入り、日光が地球の大気を通過して屈折することで赤色の光が月に届き、赤く見えるため「レッドムーン」と呼ばれます。この現象は特に「皆既月食」の時に起こり、ブラッドムーンとも呼ばれることがあります。レッドムーンは数年に一度見られる特別な天体イベントで、日本でもよく話題になります。
皆既月食は、地球が太陽と月の間に入り、月全体が地球の影に完全に覆われる現象です。皆既月食は満月の時にのみ起こり、数年に年に1回程度観測されます。
まとめ
この記事では、満月の名前とその由来についてご紹介しました。
満月の名前は単なる呼び名にとどまらず、季節や自然現象と深く結びつき、さらには人々の願いが込められています。そして人類が長い年月をかけて自然を観察し、そこに意味を見出してきた歴史が刻まれています。
月の名前を知ることで宇宙や自然への興味が深まり、日々の生活に彩りを加え、好奇心を刺激するきっかけになれば嬉しいです。
ぜひ満月の夜空を見上げて、その名前を思い出してみてくださいね。
~最後までお読みいただき、ありがとうございました~